音楽活動をしていた冨田真由さん。３０か所以上も刺された事件を覚えていますか？

東京都小金井市で二〇一六年、音楽活動をしていた冨田真由さんがファンの男に刺された事件で、
冨田さんと母親が十日、「警視庁はストーカー行為への警告や警備など、職務上の義務を果たさなかった」などとして、
警視庁を所管する東京都や当時の所属事務所、加害者の男に約七千六百万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。
事件は一六年五月下旬に発生。当時二十歳の冨田さんは小金井市のライブ会場で、
待ち伏せをしていた岩崎友宏受刑者（３０）＝殺人未遂罪などで懲役十四年六月＝に三十回以上、
首や胸などをナイフで刺され、一時は意識不明の重体となった。
　訴状などによると、岩崎受刑者が冨田さんのツイッターに「結婚してください」
「4ねよ」などと繰り返し書き込んだため、冨田さんは事件の十二日前、警視庁武蔵野署を訪れ
「殺されるかもしれない」と相談。だが、署は一般相談として受け付けただけで、
警視庁本部のストーカー被害担当部署に連絡しなかった。

また、武蔵野署員は事件二日前、冨田さんに「ライブ当日は会場の見回りをするので大丈夫」と伝えたが、
管轄の小金井署に見回りの要請をしなかった。
警視庁は一六年十二月、「人身の安全を早急に確保する必要があると判断すべきだった」とする
検証結果を公表。冨田さんに謝罪したが、「殺されるかもしれない」という冨田さんの訴えは「確認できなかった」とした。

警視庁の島貫匡訟務課長は「訴状が送達されていないのでコメントできない」としている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071102000129.html