一橋大生「LGBTって何？」　一橋大アウティング自殺事件から6年、学生の意識変化しないことにLGBT支援団体苛立ち

https://www.tokyo-np.co.jp/article/86686

同性の友人から「好きだ」と告白されたらどうすべきか。ＬＧＢＴなど性的少数者との接し方を一橋大（東京都国立市）の学生らが
議論し、冊子にまとめた。性的少数者の人権を理屈では分かっていても、実際に接した経験がない人向けの内容。
中心メンバーの本田恒平こうへいさん（２５）＝大学院２年＝は「ＬＧＢＴの人の情報を知ると混乱に陥る場合もある。そこに寄り添えれば」と訴える。（竹谷直子）
　冊子を作成したのは、学内でＬＧＢＴ学生らを支援するサークル「ＬＧＢＴＱ＋　Ｂｒｉｄｇｅ　Ｎｅｔｗｏｒｋ」のメンバー。

◆同性愛アウティング訴訟がきっかけ
　同大では、２０１５年８月、同性愛者であることを同級生に暴露された法科大学院の男子学生＝当時（２５）＝が校舎から落ちて死亡した。
　本田さんは、この学生の妹が友人だったこともあり、命日に学内に献花台を設けるなどの活動をしてきた。
　サークルを作ったのは２０年１月。冊子作りのきっかけは男子学生の遺族が大学側に起こした裁判だ。傍聴や遺族の支援者らとの
情報交換から「ＬＧＢＴとコミュニケーションする情報が不足している」と気付いたからだ。
　コミュニケーションの方法として昨年９月から冊子の作成に取り組んだ。／（１）／同性の友人から告白された／
２）／友人からＬＧＢＴだとカミングアウトされた／（３）／友人が性的少数者だと第三者からたまたま聞いた―という場合ごと
に約１０人で語り合い、３種の冊子にした。

◆交際断りは「相手を否定することにはつながらない」
　告白された場合は「異性から告白を受けた時と同じように真摯な態度」の大切さを指摘。自分は同性と交際する意思がないことを
伝えても、相手を否定することにはつながらない、と説明している。
　カミングアウトの場合は、相手が真剣な態度なら深刻に対応し、さりげない様子なら普段と同じ雰囲気で相手と同様な相づちを打つ
「ミラーリング」を推奨する。
　相手がＬＧＢＴと偶然に知り、対応が分からない場合は「独立した行政などの専門機関に相談する」よう勧める。
いずれも単一の答えは示さず、多様な意見を並べた。

　どの冊子も、相手の性的指向や性自認を了解なく第三者に暴露するアウティングは「重大な人権侵害」だと訴える。
本田さんは「ＬＧＢＴって何？　という人は大学内に結構いると聞く。二度と同じことが起きてはいけないという責任感から取り組んだ」と語る。
今後、印刷し学内各所に冊子を置きたいという。
　副代表の西良 朋也にしらともやさん（２３）＝大学院１年＝は「冊子が学内にあることで、ＬＧＢＴ当事者が救われるかもしれない」。
同じサークルの田代瑛ひかりさん（２１）＝大学３年＝は「興味のない人にも自分事として考えてもらうきっかけになれれば」と期待する。

大企業がマイノリティに寛容なのは差別どうこうではなく
単純に利益のため