一人暮らしを始めた20歳の娘が「テレビは買わなくていいよ」と言った。対して84歳のじいじは毎朝テレビの前に座り「大谷、相撲…」

〈視点〉ネトフリWBC独占　スポーツ有料配信の先に　運動部・森合正範
https://www.tokyo-np.co.jp/article/439526

一人暮らしを始めた20歳の娘が「テレビは買わなくていいよ」と言った。
主に視聴するのはネットフリックス（ネトフリ）、アマゾンプライムビデオ、YouTubeといった動画配信。スマートフォンがあれば事足りるという。

同居する84歳の父は毎朝テレビの前に座り、大谷翔平が出場する米大リーグにチャンネルを合わせる。夕方には再びテレビで大相撲を楽しむ。
わが家の娘と父ではこれほど視聴形態に違いがある。

米動画配信大手のネトフリが来年3月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）の日本での独占放送権を獲得した。WBCを地上波放送では見られない。
時代の流れでやむを得ないという考えはあるものの、長らくテレビに親しんできたファンにとって、有料配信への抵抗感は強いだろう。
WBCに限らず、スポーツのビッグイベントが近づくと「これ、テレビで見られないの？」と会話を交わすことが多くなった。
近年、スポーツコンテンツの放送権料は高騰し、これまで主流だったテレビに代わり、資金力豊富な配信事業者が有料でインターネット配信する事例が増えてきたからだ。
興行でもあるスポーツイベントが、より多くの資金を得られる媒体と組むのはごく自然なこと。
このままなら五輪やサッカーのワールドカップ（W杯）を地上波で見られなくなる日も来るだろう。

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