NASA、ユダヤ人の反発を受け、元SSでナチスのロケット技術者であったデブス博士を公式記録から削除

NASA、国民の反発を受けナチスと関係のあるエンジニアを公式記録から削除
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元SS将校でナチスのロケット技術者であり、後に米国の宇宙計画の重要人物となったクルト・ハインリヒ・デブス博士を数十年にわたって記念してきたNASAは、公式展示から博士の名前を削除し、経歴に免責事項を追加した。

フロリダ州にある現在のケネディ宇宙センターの初代所長を務めたデバスは、ナチス政権下での役割を問われたことは一度もありませんでした。彼はドイツのV2ロケット計画に深く関与していました。この計画は、強制収容所の囚人を強制労働させ、英国をはじめとする民間地域を標的としていました。こうした経歴にもかかわらず、彼の名前は長年にわたりNASAの施設に残っていましたが、世間の関心はほとんど寄せられていませんでした。

彼の名を冠した会議場、カート・H・デバス博士会議施設は、最近「ヒーローズ・アンド・レジェンズ会議施設」に改名されました。ケネディ宇宙センターの広報担当者は、この新しい名称は「歴史を通して、米国を宇宙探査における世界のリーダーとして確立するのに貢献した多くの人々の功績を反映している」と述べています。

正式な理由は明らかにされていないが、このタイミングは、デブスのナチス時代の過去に対する一般の認識とメディア報道の高まりを受けてのものとなっている。

アポロ計画と人類初の月面着陸を主導した功績が認められているにもかかわらず、デブスのナチスとの関わりは数十年にわたってほとんど無視されてきた。最近まで、NASAの伝記には「ナチス」「第三帝国」「SS」といった用語は一切記載されておらず、「ペーネミュンデにおけるロケット研究プログラム」における彼の仕事について漠然と言及されているだけだった。

電気技師の訓練を受けたデブスは、この計画の参加者であっただけでなく、少佐（シュトゥルムバンフューラー）の階級を持つSS将校であり、ナチスへの忠実な忠誠者でもありました。歴史家によると、彼は同僚がナチス式の挨拶をしなかったことをゲシュタポに通報したほどです。

戦後、デブスは捜査も裁判も受けなかった。彼は、ソ連に対する優位性を得るためにナチス時代の専門家を動員しようとしたアメリカの秘密作戦「ペーパークリップ作戦」でアメリカに連れてこられた数百人のドイツ人科学者の一人だった。

元SS隊員も参加したこの作戦は、ユダヤ人団体の反対や米防衛当局内部の反対にもかかわらず、政府最高レベルで承認された。

デバスはアメリカ国籍を取得し、宇宙計画において上級職を歴任しました。その技術的な先見性で同僚の間で知られ、アメリカが実験的な打ち上げから有人ミッションへと移行する過程に貢献しました。彼はフロリダ州メリット島の発射センターを統括し、1968年に正式にケネディ宇宙センターと改名されました。

1983年に亡くなった後も、デブスはNASA関係者から高く評価され続けました。彼の名を冠した施設に加え、フロリダ州の航空宇宙分野のリーダーたちには公式の「デブス賞」が毎年授与されました。2022年には、当時ケネディ・センターの所長だったジャネット・ペトロに授与されました。ペトロは、デブスのナチスとしての過去に触れることなく、アポロ計画への貢献を称賛しました。

NASAがデバス氏の名前を消す決定を下したのは、アメリカのメディアが同局によるデバス氏の経歴の隠蔽を批判した直後のことでした。これを受けてNASAはオンラインの経歴を更新し、会議場の名称と賞の名称を変更しました。公式声明は発表されていませんが、公式イベントや来場者向け資料からデバス氏の名前が削除され、新しい方針が反映されています。

デブスの名は今や組織的な記憶からほぼ消え去り、アメリカの宇宙史において公式に記念されているナチスの著名人はヴェルナー・フォン・ブラウンただ一人だけだ。「アメリカ宇宙計画の父」と呼ばれることも多いフォン・ブラウンは、V-2ミサイルの主要設計者であり、元SS将校でもあった。

2021年、アラバマ州ハンツビルにあるスミソニアン博物館傘下の米国宇宙ロケットセンターは、フォン・ブラウンに由来する像と言葉を撤去しました。しかし、アラバマ大学などのNASA関連機関と提携し、市内の研究センター、科学シンポジウム、パフォーマンスホールなど、複数の施設では今もフォン・ブラウンの名が冠されています。

こいつはSSだったから消された