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山形）山形西高、２年連続「まんが甲子園」本選へ

４、５日に高知市で開かれる第２７回全国高校漫画選手権大会（まんが甲子園）の本選に、山形県内から山形西が出場する。予選のテーマに選んだのは「フェイクニュース」。最新の時事用語を身近な話に置き換えた作品に仕上げた。本選に初出場し、特別賞「やなせたかし賞」を受けた昨年を超える結果を目指し研鑽（けんさん）を重ねた。

　出場するのは、同校美術部２年の児玉絵利奈さん、沓沢杏佳（くつざわきょうか）さん、平井穂香（ほのか）さん、村井里緒さん、吉田瑚乃美さん。部長の児玉さんが呼びかけて同級生４人が集まった。

　予選は「フェイクニュース」「仮想○○」の２テーマから一つを選び、Ｂ４判の漫画を提出する方式。５人は両テーマとも描いてみた上で、顧問の田崎一浩教諭や先輩から意見を聞いたり、部員で投票したりした結果、フェイクニュースの作品を出すことにした。

　フェイクニュースに関する知識は当初、「トランプ（米大統領）のニュースで見たかな」（吉田さん）という程度だったという５人。新聞を切り抜いた記事を見て話し合った上で、沓沢さんがあえてニュースとは切り離した案を思いついた。「フェイクが広まるのは、うわさに尾ひれがついていくのと似ているかな、と。ほかの学校とかぶらないものにしたかった」

　弁当箱を姉から受け取る「田中」を目撃した生徒が確認をせず、「田中がスケ番と話してた」と知人に伝えた結果、ＳＮＳやうわさを通じて拡散し「ヤンキー集団に半殺しにされた」と全くのデタラメになる話ができあがった。

　制作期間は２～３週間。吹き出しを増やし、コマを徐々に小さくすることで、時間の経過とともにウソが広まる様子を表現。平井さんが驚いている生徒を「リアル調」に描いた。６月下旬、漫画家らによる審査の結果、応募した２７２校の中から本選へ出場する３３校の一つに選ばれた。

　本選は４日に第１次競技と敗者復活戦、５日に決勝がある。「足下（そっか）の幸せ」「永久機関」「ＡＩ」「海の水ぜんぶ抜いちゃいました」「ラスボス」の五つのテーマから、それぞれ出題される。

　５人は全テーマでリハーサルをし、配色やペース配分、役割分担などを確認。吹き出しの字体や構図など改善点を洗い出した。本選でリーダーを務める村井さんは「色塗りや背景、付け足しなど、それぞれの得意分野を生かし、楽しみながら効率よく作品を創りたい」と話す