女商人「どんなものでも斬れる剣とどんな攻撃も防ぐ盾はいかがですか~?」マッチョ「両方とも破壊する」

1 : 2020/05/24(日) 18:05:10.061 ID:ViD1NADR0
女商人「いらっしゃい、いらっしゃい!」

女商人「こちらはどんなものでも斬れる剣、何でもスパスパ斬れちゃいまーす!」ブンブン

女商人「一方、こちらはどんな攻撃でも防ぐ盾! どうです硬いでしょう!」コンコン

女商人「さあ、いかがですか~?」

ワイワイ…

「買おうかな……」 「もうすぐ戦争始まるっていうしな」 「自衛しないと」

女商人(よしよし、反応は上々だわ……)

マッチョ「面白い」

女商人「あ、お買い上げですか?」

マッチョ「両方とも破壊する」

女商人「へ?」

2 : 2020/05/24(日) 18:06:18.859 ID:lUBZNqsT0
続けてよし
3 : 2020/05/24(日) 18:06:39.923 ID:2UfD4MQB0
まじか
4 : 2020/05/24(日) 18:07:56.768 ID:cI8sl5afd
壊れるほど愛してもー
5 : 2020/05/24(日) 18:10:05.771 ID:ViD1NADR0
マッチョ「まず、こちらが剣か」

マッチョ「むんっ!」

パキィン!

「すげえ! 腹に刺したら剣が砕けたぞ!」

マッチョ「盾はこれだな」

マッチョ「むんっ!」

ズボッ!

「あっさりと穴あけやがった!」

女商人「えええええええ!?」

6 : 2020/05/24(日) 18:13:27.562 ID:ViD1NADR0
「なーんだ」 「とんだインチキじゃねえか」 「買わなくてよかったよ……」

ゾロゾロ…

女商人「ああ……みんな待って!」

マッチョ「どうだ」

女商人「どうだ、じゃねええええええ!」ドンッ!

マッチョ「うわっ」

女商人「あんたのせいで商売あがったりじゃないのよぉぉぉぉぉ!!!」

マッチョ「しょ、商売……?」

7 : 2020/05/24(日) 18:13:32.085 ID:BjRE8nck0
俺より強い武器を探しに行く
8 : 2020/05/24(日) 18:16:13.708 ID:ViD1NADR0
マッチョ「そうか……商売していたのか……」

マッチョ「俺はてっきり、剣と盾を打ち破れる挑戦者を求めてたのかと……」

女商人「もう……いいわよ」

女商人「おかげで、よぉく分かったわ。あたしには武具を作る才能も、商売する才能もないってね」

マッチョ「なぜ、お前は剣や盾を売っておったのだ?」

女商人「いいわ、教えてあげる」

9 : 2020/05/24(日) 18:20:11.480 ID:ViD1NADR0
女商人「今いるこの場所は、ちょうどA国とB国の境目なんだけど」

女商人「二つの国は昔から仲が悪くてね。いつ戦争が起こってもおかしくない状態なの」

マッチョ「そうなのか」

女商人「あたしはこう見えて平和主義者でね」

女商人「なんとか戦争を止めようと、両国で色々と働きかけたんだけど全然ダメ」

女商人「あたしの話なんか聞いてくれやしない。やっぱり理屈じゃ戦いは止められないのよ」

女商人「そこであたしは考えたの」

10 : 2020/05/24(日) 18:23:32.575 ID:ViD1NADR0
女商人「もし、最強の剣と最強の盾を作ることができれば……」

女商人「そしてそれを、A国B国のみんなが持ってしまえば……」

女商人「お互い“俺はすごい剣持ってるけどあっちもすごい盾持ってる”“俺はすごい盾あるけど向こうもすごい剣がある”ってなって」

女商人「うかつに手出しできなくなるでしょ?」

マッチョ「そういうものなのかもしれないな」

女商人「そう考えて、剣と盾と作って試しに商売してみたんだけど、結果はこのザマ」

女商人「あんたなんかにあっさり壊されちゃった」

11 : 2020/05/24(日) 18:25:28.470 ID:ViD1NADR0
女商人「もう……無理なのかな……」

マッチョ「?」

女商人「どっちの国の人もいい人ばかりなの。だけど戦争が起こったらきっとみんな死んじゃうわ」

女商人「あたしじゃ……戦争止められないのかな……」ポロッ…

マッチョ「そんなことはない」

女商人「え……」

マッチョ「戦争を止めたいというお前の気持ち、しかと受け止めた!」

マッチョ「俺が協力する!」

12 : 2020/05/24(日) 18:26:07.902 ID:dNUkDO6ar
期待
13 : 2020/05/24(日) 18:27:18.974 ID:Wj35q2Ip0
筋肉ムキムキが世界救うタイピングゲー思い出した
14 : 2020/05/24(日) 18:27:50.202 ID:DraBukVKd
>>1
ヒトモドキジャップ猿4ね殺されてろクソ食い土人
15 : 2020/05/24(日) 18:28:54.210 ID:ViD1NADR0
マッチョ「そうと決まれば、さっそくトレーニングだ」

女商人「トレーニング……? あたしが……?」

マッチョ「うむ、お前はたしかに武器作りや商売の才能はなかったのかもしれんが」

マッチョ「肉体的な才能は素晴らしいものがある!」

女商人「そうかなぁ?」

マッチョ「さっき、俺が商売を台無しにした時、俺を突き飛ばしただろう」

マッチョ「あの時、気づいたのだ。女性にしてはかなりの腕力の持ち主だと」

マッチョ「お前の秘められた才能――俺が開花させてみせる!」

女商人「うん……それじゃよろしく、先生!」

16 : 2020/05/24(日) 18:30:53.425 ID:tOiWSiez0
エッチ
17 : 2020/05/24(日) 18:31:41.255 ID:jvcYR2n+d
おっぱいだせや😡
18 : 2020/05/24(日) 18:34:20.314 ID:ViD1NADR0
マッチョ「まずは腕立て伏せだ」

女商人「うん」グッグッ…

マッチョ「まだまだ」

女商人「……」グッグッ…

マッチョ「もうひと押し」

女商人「くっ……」グッグッ…

マッチョ「しっかりと肘を曲げろ。フォームがおろそかになってはいかん」

マッチョ「楽をしようとしたり、数を稼ごうとして、フォームが崩れると効果が半減してしまうぞ」

19 : 2020/05/24(日) 18:35:01.139 ID:FjOckpPha
うんこ
20 : 2020/05/24(日) 18:37:26.099 ID:ViD1NADR0
マッチョ「次は腹筋だ」

女商人「ふっ、ふっ、ふっ」グッグッグッ…

マッチョ「勢いをつけてはいかん。腰や背中を痛めてしまうぞ」

女商人「あくまでお腹の力でってことね……」グッ…

マッチョ「スクワットだ」

マッチョ「背筋をしっかり伸ばして、息を吸いながらゆっくり腰を落としていけ」

女商人「……」スゥゥ…

マッチョ「よし、ゆっくり上げるのだ」

21 : 2020/05/24(日) 18:38:51.941 ID:ViD1NADR0
女商人「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

マッチョ「よくやった、初日にしては上出来だ」

マッチョ「さあ、運動の後はプロテインだ!」

女商人「プロテイン……!」

マッチョ「俺特製のプロテインを、知り合いのミルク農家からもらった牛乳に混ぜ……」

マッチョ「ほら、飲んでみろ」

女商人「……」ゴキュゴキュゴキュ

女商人「おいしい……体じゅうにタンパク質が染み渡るわ……」

22 : 2020/05/24(日) 18:40:14.006 ID:l0hONj1y0
続けたまえ
23 : 2020/05/24(日) 18:41:30.800 ID:ViD1NADR0
マッチョ「ぐっすり寝る! 休養も立派な筋トレだ!」

女商人「うん!」

マッチョ「筋トレに近道はないが、お前には時間もない」

マッチョ「高山を駆け上がるつもりで鍛え上げていくから、覚悟しておけ!」

女商人「望むところ!」

――――

――

24 : 2020/05/24(日) 18:45:30.470 ID:ViD1NADR0
マッチョ「さ、やってみろ」

女商人「……」

女商人「むぅんっ!!!」グンッ

マッチョ「見事! ベンチプレス500kgクリアーだ!」

女商人「や、やったぁ!」

マッチョ「だが、これは通過点に過ぎん! お前は人間を超えなければならぬ!」

女商人「超えてみせる……人だろうと、獣だろうと、怪物だろうと!」

25 : 2020/05/24(日) 18:47:11.576 ID:ViD1NADR0
女商人「カモン!」

猛牛「モォォォォォォォォォッ!!!」ドドドドド…

ズガァンッ!!!

女商人「……」

マッチョ「おお……重さ1トンの牛のタックルを片手で……」

女商人「……」ヒョイッ

猛牛「ブモォッ!?」バタバタ

女商人「ありがとう、いい鍛錬になったわ」スッ

猛牛「モォ~……」ペロペロ

女商人「やだ、くすぐったい」

マッチョ「フフ、懐かれおったな」

26 : 2020/05/24(日) 18:49:05.715 ID:dNUkDO6ar
女商人→女超人
27 : 2020/05/24(日) 18:50:24.860 ID:ViD1NADR0
村人「なんだあれ!? でっけえ岩山が二つ……動いてる!」

村人「い、いや……」

女商人「……」ズンズン

マッチョ「……」ズンズン

村人「男と女が……岩山を運んでるんだ……! あいつら、神の使いかなんかか……!?」

28 : 2020/05/24(日) 18:53:30.034 ID:ViD1NADR0
やがて――

女商人「いかが?」

マッチョ「全身に濃密な筋肉が搭載され、体重200kgオーバーながらも動作は羽根よりもかろやか」

マッチョ「剛柔一体――という言葉ですら相応しくないと感じてしまう極上のバランスに仕上がった」

マッチョ「よくぞ……よくぞここまで鍛え上げた」

女商人は高山を駆け上った。

29 : 2020/05/24(日) 18:54:50.712 ID:2UfD4MQB0
どこに向かっているのだ
30 : 2020/05/24(日) 18:55:10.113 ID:ViD1NADR0
マッチョ「ゆこうか、最終目的地へ」

女商人「……ええ!」

猛牛「モォ~……」

女商人「心配しないで。必ず帰ってくるから」ナデナデ

いざ、戦場へ……!

31 : 2020/05/24(日) 18:56:58.105 ID:TYV+9XDc0
おまえのSS楽しみにしてるよ
32 : 2020/05/24(日) 18:59:09.828 ID:ViD1NADR0
A国とB国は一触即発。

両国ともトップ自ら出陣し、今まさに戦争が始まろうとしていた。

A国陣営――

国王「よいか、B国の奴らを皆殺しにするのだ!」

オーッ!!!

B国陣営――

大統領「この戦で全ては決まる! 必ずやA国を討ち滅ぼすぞ!」

オーッ!!!

33 : 2020/05/24(日) 19:01:12.615 ID:ViD1NADR0
戦が始まった。

ワアァァァァァ……!

ウオォォォォォ……!

両国の軍隊がまさに激突せんとするその瞬間――

女商人「ちょっと待ったァ!!!」

34 : 2020/05/24(日) 19:02:14.396 ID:Mnm1/YrJr
両国にげてー
35 : 2020/05/24(日) 19:04:16.160 ID:ViD1NADR0
女商人「どうしても戦争をしたかったら――」

マッチョ「我々を倒してからにしろ」

A国兵士「な、なんだこいつら……」

B国兵士「おもしれぇ……」

B国兵士「俺はB国きっての槍の使い手なんだ! そっちの男から貫いてやるよォ!」

ズドォッ!

マッチョの体に槍が突き刺さった。

36 : 2020/05/24(日) 19:04:49.405 ID:RM8HNySr0
どうなる…
37 : 2020/05/24(日) 19:07:01.568 ID:ViD1NADR0
B国兵士(なんだ今の感触……!?)

B国兵士「え……槍が折れた……」ボロッ…

マッチョ「その程度では百万回突いたところで、俺に傷は与えられんぞ」

B国兵士「~~~~~~!」

この兵士は、当時のことをこう述懐する――

「槍がね……こう、ポキンと折れちゃったんですよ、ポキンと」

「象に噛みついた蟻って……きっとこんな気分なのかなって思っちゃいましたね、ハハ」

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