大男「ガハハ、抱きしめてやるぜぇ!!!」妻「ダメ……壊れちゃう」

1 : 2020/05/16(土) 15:01:11.403 ID:cD6jeFk00
― 家 ―

大男「ガハハ、今日もたくさん木を切ってきたぜぇ!」

妻「お疲れ様」

大男「たっぷり働いた後は……お前を抱きしめてやるぜぇ!!!」

妻「ダメ……壊れちゃう」

大男「壊れちゃうって、いくら俺でもお前を抱きしめすぎて骨折させたりしねえよ」

妻「だけどダメ」

大男「……分かったよ。じゃあ、メシにしてくれ」

妻「すぐ支度するわ」

2 : 2020/05/16(土) 15:05:11.392 ID:cD6jeFk00
妻「今日はいいお肉が手に入ったの。ステーキにするわ」

大男「楽しみだな、そりゃ!」

妻「…………」ヒュッ

グサササッ

数本の針が肉に突き刺さる。

大男「おお、すげえ」

妻「こうすると柔らかくなるの」

3 : 2020/05/16(土) 15:08:19.951 ID:cD6jeFk00
妻「出来たわ」

大男「いただきまーす!」

肉にかぶりつく大男。

ガツガツ… ムシャムシャ…

大男「おう、うめえ! 肉は柔らかいし、こっちの豆料理もいける!」

大男「お前の料理は最高だな!」

妻「……ありがと」

大男「!」

4 : 2020/05/16(土) 15:09:03.042 ID:q/gWymhG0
日本昔話?
5 : 2020/05/16(土) 15:11:43.532 ID:cD6jeFk00
大男「よく聞こえなかったな。もう一度、俺みてえな大きい声でいってくれねえか?」

妻「…………」

大男「頼むよぉ~」

妻「あなたの大きい耳なら、聞こえてたでしょ」

大男「ガハハ、バレたか!」

妻「あまりからかわないで」

大男「じゃあ俺は遠慮せずでかい声でいうぜ! いつもうまいメシありがとよ! 愛してるぜえ!」

妻「もう……食器片付けなきゃ」ガチャガチャ

6 : 2020/05/16(土) 15:15:21.397 ID:cD6jeFk00
朝――

大男「うぉーし、食った食ったァ! 朝はたっぷり食わなきゃな!」

妻「あなたは昼も夜もおやつもたっぷり食べるでしょ」

大男「ガハハ、たしかに! じゃ、行ってくる!」

妻「行ってらっしゃい」

斧を担いで、大男は森へ向かう。

大男は木こりで生計を立てているのだ。

7 : 2020/05/16(土) 15:15:53.528 ID:XKSrOZAFd
ウ●コがすごそう
8 : 2020/05/16(土) 15:16:08.981 ID:JWbDWjkw0
ところで俺は無職なのだ
9 : 2020/05/16(土) 15:17:22.790 ID:wg8xc/jlr
大男ついに結婚したのか
10 : 2020/05/16(土) 15:18:10.717 ID:cD6jeFk00
― 森 ―

大男「さて、やるかぁ!」

大男「よいしょぉ! よいしょぉ!」

ドカッ! ドカッ!

メキメキ… ズズゥゥゥゥン…

音を立てて倒れる大木。

大男「よっしゃ、まず一本!」

23 : 2020/05/16(土) 15:29:40.524 ID:uxxtjoCC0
>>10
メスガキ

に見えた

11 : 2020/05/16(土) 15:18:49.152 ID:oAeCpeNY0
大男「なんだぁ?次の相手はガキか」
12 : 2020/05/16(土) 15:20:39.410 ID:A/rApYn80
俺の中ではタワマンの最上階に住んでて毎朝オノ一本持って新宿御苑の木を伐りに行く照英で再生されてる
13 : 2020/05/16(土) 15:21:23.246 ID:cD6jeFk00
木こり「いやぁ~、いつもながらすごいね。あんな大きな木をあっさりと……」

大男「俺の取り柄はパワーぐらいだからなぁ」

木こり「それに引き換え僕は、あと何回切りつければいいのやら……」

ガッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガッ!

メキメキ…

木こり「お、やっと倒れそう――」

グラッ…

木こり「えっ!? こっちに倒れてくる――」

木こり「うわぁぁぁぁぁっ!!!」

14 : 2020/05/16(土) 15:21:55.180 ID:yOePDcO90
人望篤そう
15 : 2020/05/16(土) 15:23:08.041 ID:kXW49PY50
大男「ガハハ、抱きしめてやるぜぇ!!」

妻「だめ・・・・壊れちゃう」

俺「く・・・くるしぃ!!」

16 : 2020/05/16(土) 15:23:31.655 ID:cD6jeFk00
大男「よっと」ガシッ

木こり「――――!?」

あっさりと木を受け止める。

木こり「おおっ……!」

大男「気をつけてくれよ。木こりだけに。なーんてな、ガハハハッ!」

木こり「ありがとう……」

20 : 2020/05/16(土) 15:28:38.377 ID:DAnTwicV0
>>16
?どこが「だけに」なの?
17 : 2020/05/16(土) 15:24:07.361 ID:49H9pCwea
ただの良いやつじゃん
18 : 2020/05/16(土) 15:24:26.555 ID:2w4+082O0
脳が破壊される予感がする
19 : 2020/05/16(土) 15:26:58.944 ID:cD6jeFk00
木こり「お、またキノコ見っけ」

大男「あんたはキノコ見つけるのが上手いなー!」

木こり「僕はこの町で生まれ育ったから……この森は庭、というか自分の体みたいなもんなんだ」

木こり「だから土に変化があるとすぐ分かるんだ」

大男「なるほどなぁ」

大男「あんただって、立派な取り柄があるじゃねえか!」

木こり「そういってもらえると嬉しいよ。ほら、キノコあげる」

大男「おっ、ありがてえ! 女房も喜ぶぜ!」

21 : 2020/05/16(土) 15:29:24.289 ID:byq60Amn0
さっきから大男を殺しにかかってるな
22 : 2020/05/16(土) 15:29:34.108 ID:cD6jeFk00
一方、妻は自宅で診療所を営んでいる。

商人「肩こりがひどくって……」

妻「少し触るわね」グイッ

商人「うっ……!」

妻「…………」

妻「ここ」プスッ

ある箇所に針を突き刺す。

商人「!!!」ビビビッ

24 : 2020/05/16(土) 15:32:34.468 ID:cD6jeFk00
商人「す、すごい! ウソみたいに肩が軽くなった!」グルグル

妻「でしょう」

商人「それにしても不思議なもんだ。針を刺すだけで、こんな効果が……」

妻「人体には色んな急所があって、それを針で直接刺激することでさまざまな効果が得られるの」

妻「今回は肩の急所を刺すことで、血行をよくしたのよ」

商人「へぇ~」

妻「再発防止のために、日頃から肩をよくほぐすようにしてね」

商人「どうもありがとう! これで商売がはかどるよ!」

25 : 2020/05/16(土) 15:34:29.389 ID:cD6jeFk00
老人「こんにちは~」ヨタヨタ

妻「いらっしゃい」

老人「全身あちこちがオンボロになっちまってのう……ワシはもうダメじゃ……オシマイじゃあ……」

妻「そんなことないわ」

老人「かつては……“町の暴れん坊”と呼ばれたワシも……あとはしおれて死ぬだけかのう……」

老人「その針を、いっそ脳天に刺して楽にしてくれえ……」

妻「……じゃあ今日は特別にスペシャルコースよ」

26 : 2020/05/16(土) 15:37:27.307 ID:cD6jeFk00
妻「…………」

シュババババッ

グササササッ

老人の全身に針が突き刺さる。

老人「!!!」ビビビッ

老人「お……お……お……」

老人「ふぉおおおおおおおおおおお!!!」

老人「ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

27 : 2020/05/16(土) 15:40:08.775 ID:cD6jeFk00
妻「どう?」

老人「す、すごい……すごいぞ!」

老人「全身に活力がみなぎってきおった! なんじゃこれは!?」

老人「町の皆から恐れられ、慕われていた、あの頃に戻ったようじゃ……!」

老人「“町の暴れん坊”どころか下の棒までギンギンじゃわい!」

老人「ありがとう! ワシはまだまだ若いぞおおおおおおおおおお!!!」

ドドドドド…

妻「…………」

妻「やりすぎちゃったかな」

28 : 2020/05/16(土) 15:43:49.683 ID:cD6jeFk00
……

大男「……とまぁ、こんなことあってよ」ガハハッ

妻「危なかったわね。木を切る時は気をつけないと」

大男「ホントだぜ! ま、俺にかかりゃ、あの程度の木を受け止めるぐらいたやすいけどよ」

妻「あなたもよ」

大男「え」

妻「あまり……ムチャしないでよ」

大男「おう、お前をまだまだ未亡人にはできねえしな!」

妻「まだまだじゃなく、一生なりたくない」

妻「それじゃ、木こりさんから頂いたキノコでソテーにしましょう」

大男「おほっ! 嬉しいぜぇ!」

29 : 2020/05/16(土) 15:44:33.556 ID:i+wfHMJw0
嫌な予感。
30 : 2020/05/16(土) 15:46:32.946 ID:cD6jeFk00
ベッドに入り――

妻「今日もお疲れ様」

大男「お互いにな」

妻「今日は特別に、針刺してあげる」

大男「お、いいのか?」

妻「うん」

プスッ プスッ プスッ

大男「おお~、安らぐぜ」

妻「ふふ……やっぱりあなたの体が一番やりやすいわ」

大男「なんで?」

妻「よく知ってるし……それに失敗したって、あなたの体は私の針くらいじゃ壊れないもの」

大男「ガハハ、信頼してくれてありがとよ!」

31 : 2020/05/16(土) 15:50:34.960 ID:cD6jeFk00
― 町 ―

仕事が休みの日、夫婦は町に出かけていた。

大男「たまにゃ、二人で買い物ってのもいいもんだなァ!」

妻「そうね」

主婦「あら、こんにちは」

大男「ちわっす!」

妻「こんにちは」

主婦「お二人はいつ見ても仲が良くて、うらやましいわ~」

大男「そうっすか? ガッハッハッハ!」

妻「…………」

32 : 2020/05/16(土) 15:51:40.943 ID:UnjoZIm+0
妻がフェミニストに染まって夫を殺害するオチに期待
33 : 2020/05/16(土) 15:52:27.054 ID:cD6jeFk00
プスッ

主婦「むむむ!? あらら、腰の痛みがなくなって、背筋がシャキンと……」

大男「え?」

妻「…………」

大男「お前、まさか……」

妻「サービスよ」

34 : 2020/05/16(土) 15:55:05.591 ID:cD6jeFk00
スタスタ…

ビュウッ!

女「あ、風で帽子が……!」

妻「…………」

妻「あなた、投げて」

大男「おう!」ガシッ

ブオンッ!

大男は妻を空中へ放り投げた。

女「えええええ!? 奥さんをぉぉぉぉぉ!?」

35 : 2020/05/16(土) 15:57:07.514 ID:cD6jeFk00
パシッ

クルクルクル スタッ

妻「どうぞ」

女「あ、ありがとうございます……」

大男「ガハハ、いいことすると気持ちいいなぁ!」

妻「ホント」

スタスタ…

女「相変わらず、すごい夫婦だわ……」

36 : 2020/05/16(土) 15:57:37.457 ID:wg8xc/jlr
妻は投げ捨てるもの
37 : 2020/05/16(土) 16:00:23.921 ID:cD6jeFk00
公園を通りがかる。

妻「シーソーがあるわ。乗りましょ」

大男「乗るって、俺とお前じゃ……」

当然、大男の方に傾くシーソー。

大男「こうなっちまうぞ。全然遊べねえ」

妻「これでいいの」

大男「へ? なんで?」

38 : 2020/05/16(土) 16:02:24.554 ID:cD6jeFk00
妻「あなたの大きさや重さを感じられるから」

大男「…………」ポッ…

妻「あら、あなたも照れることあるのね」

大男「うぐぐ……」

少年「あの二人、なにが面白いんだろ?」

少女「さぁ……」

39 : 2020/05/16(土) 16:06:31.935 ID:cD6jeFk00
― 酒場 ―

ワイワイ… ガヤガヤ…

大男「たまにゃ酒場で一杯ってのもいいだろ!」

妻「そうね」

チンピラ「だーかーらー、口うつしで俺に酒飲ませてくれよ~ん」チューッ

看板娘「だから、うちの店はそういうサービスしてないっての! このドチンピラ!」

チンピラ「あぁん!? 客に向かってなんだその態度は!」

子分「そうっすそうっす!」

看板娘「あんたらのどこが客よ! 騒ぎばかり起こしてさ!」

大男「……またあいつらか。ため息が出るぜ」

妻「しょうがないわね」

40 : 2020/05/16(土) 16:06:37.476 ID:iivng5XY0
はよ
41 : 2020/05/16(土) 16:08:23.145 ID:iivng5XY0
支援

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