住民が不妊手術やトイレ管理　「地域猫活動」広がる

住民が不妊手術やトイレ管理　「地域猫活動」広がる | 岐阜新聞Web
https://www.gifu-np.co.jp/news/20201126/20201126-23703.html

飼い主のいない猫の不妊去勢手術や排せつ物処理などの管理を、住民有志が手掛ける「地域猫活動」が岐阜県内で広がりを見せる。ただ、地域の理解や手術費の面でいまだハードルが高いのも現実だ。専門家は、手術を受けさせて元の場所に帰すだけでいいとの誤解もあると指摘し、継続的に猫と関わる正しい活動の在り方を求める。

多くの観光客が行き交う高山市。古い町並みにほど近い上一之町では２０１８年ごろから、多くの野良猫が姿を見せるようになった。上一之町上町並み保存会長の長瀬公昭さん（５８）によると、店舗の駐車場やプランターにふん尿を排せつするため、臭いの他、植物が枯れる被害があり、住民だけでなく観光客からもクレームを受けたという。

みそやしょうゆを製造する日下部味噌醤油醸造では、駐車場に排せつ物があったり、敷地内で生まれたばかりの子猫が見つかったりした。食品を扱うため衛生面を問題視し、屋内に入らないよう対策を取った。ただ、専務の日下部博子さん（５６）は「それだけでいいのか。このままでは増える一方だ」と心に引っ掛かるものがあったという。

日下部さんらから相談を受けた長瀬さんが状況を調べると、当時はおよそ３０匹の野良猫がおり、餌をあげる住民がいることも分かった。「餌を与える人への悪口も聞こえてきたが、かわいがる心境も理解できる」と頭ごなしにやめさせるのではなく、地域猫活動での建設的な解決を決意した。

地元で面倒を見ようと長瀬さんが提案、賛同者の協力を得て進めることになった。保存会の予算で猫を捕まえて手術を受けさせるとともに、トイレや餌やりの場所を決めて管理。今では数匹にまで減り、排せつ物の被害も聞こえてこなくなった。動物福祉の活動に取り組み、今回のケースでは捕獲に関わったＮＰＯ法人もふっこひだ（同市）理事長の袈裟丸聡美さん（５７）は「能動的に関わる人が多い。互いに意見でき、一体感のある地域だからだろう」と成功した理由を分析する。

県は、条件を満たして活動する団体の手術費を負担する。生活衛生課によると、県の支援を受ける団体数は年々増加。過去５年間では、１５年度の５から昨年度の２４と５倍近くになり、担当者は「徐々に広がっている」とみる。

しかし、地域内のトラブルを避けるため、住民の合意を得る必要があり、それが活動の足かせにもなっている。県の費用で手術を受けるには、美濃市の県動物愛護センターに行かねばならず、連れていくのが負担だとの声もある。県とは別に独自の助成制度を持つ県内の自治体は１０ほどにとどまるため、担当者は「全自治体が制度を設け、地元の病院で受けられるようになれば」と期待する。

袈裟丸さんによると、地域猫の活動は認知されつつあるが、手術を受けさえすればいいとの誤解も生まれているという。「手術すれば増えなくなるけれど、ごみをあさったり、至る所で排せつしたりする問題は残る。餌やりやトイレなど、地域ぐるみで管理を継続することが重要だ」と訴える。

win-winだにゃあ！

いうほど猫って居るか？いないよねえ？！