人「私は妻を愛しています。妻も私を愛しています。私には恋人もいます。妻にも恋人がいます。私たちはポリアモリーです」

結婚15年、妻にも自分にも恋人がいる私が「ポリアモリー生活」を真摯に語る | クーリエ・ジャポン
https://courrier.jp/news/archives/213035/

当事者たちが合意のうえで複数のパートナーと恋愛関係を持つライフスタイル「ポリアモリー」。一見、自由で羨ましくも思えるが、生活に混乱をきたしたり、嫉妬に苦しんだりすることはないのだろうか？　妻も自分自身もポリアモリーだというジャーナリストのポール・ダルガノが、こうした素朴な疑問に率直に答えた。

正直、私がポリアモリーなのは、確固たる人生観があるからというより、それが自分にとってごく自然だからだ。結婚して15年になる妻にも、私以外に数人のパートナーがいる。私にもひとり、4年間付き合っているパートナーがいるが、その人は（いまのところ）私以外の誰かと恋愛する気はないようだ。

では、ポリアモリーではない人が訊いてきそうな最初の質問にいってみようか。

Q1　パートナーたちとどんなルールを設定していますか？

それは簡単。当事者が決めたこと、それがすべてだ。ポリアモリーに関するハウツー本には、非一夫一婦制の人間関係の大枠の定義やそれに対する考察が書かれているけど、それはそれ。もし、既存のルールがあったとしても、誰もそれに従いたくはないだろう。

ポリアモリーのあり方は、ストレート、ゲイ、レズビアン、セックスレス、またはプラトニックな関係と同じように人によってまったく違う。私はこのテーマに関する本をいろいろ読んできたが、最も有用だと感じたアドバイスは専門家からではなくて、毎年恒例のメレディス音楽祭（オーストラリアのビクトリア州で毎年12月に開催される野外音楽祭）のモットーから得られた。

いわく、「クソ野郎になるな」だ。

Q2　嫉妬しないんですか？

いや、まったく。いや、ごめんなさい。ウソです。

自分のパートナーが他のだれかと幸せな恋愛やセックスを楽しんでいることに対し、喜ばしいと思う感情を表す「compersion」という単語があるくらいだから、なかには嫉妬の感情をうまく処理できる人もいるのだろう。

だが、私の場合は嫉妬に駆られて、思わずバスルームの壁のタイルを拳でたたき割ったこともあるし、パニック発作になったこともある。

パニック発作に襲われると、死の恐怖を味わうだけではない。ひとりぼっちで置き去りにされるんじゃないか、パートナーにもっとふさわしい別の誰かが現れて、自分は捨てられるんじゃないかという、実存的な恐怖で肺が押しつぶされそうになる。

自分はこのまま死んでしまうんだと、何度思ったことか。

うーん、どうだろう。モノガミー（一夫一婦制）を長く続けることや、そういう人たちがこっそりやる浮気とは違って、ポリアモリーはリアルタイムでつねに厳しいABテストを受けているのに近いかもしれない。

新しいパートナー（たち）と過ごす時間は、関係が始まったばかりのときめきに満ちあふれていて、お互いに努力もする。相手は自分が頑張って撮った自撮り写真に大喜びしてくれるかもしれない。

一方、長年のパートナー（たち）は、あなたをすでによく知っている。それでも奇跡的に、まだあなたと一緒にいたいと思ってくれているんだ。

Q4　性感染症は大丈夫ですか？

たしかに、あらゆる種類の性感染症から、HIV・エイズ、不妊までさまざまな問題がある。でも、マスクを着けて20秒間手を洗うことが新型コロナウイルスの予防に効果があるのと同じで、コンドームは間違いなく役に立つ。これで絶対防止できるかと言われたらノーだけど、助けにはなるかな。