【鹿児島】日置市男女５人殺害事件　初公判控え、被害者遺族が心境語る

鹿児島県日置市で男女５人が殺害された事件で、殺人などの罪で起訴されている岩倉知広被告の初公判が１８日から始まります。

この初公判を前に、岩倉被告の伯父が１７日、ＫＴＳの取材に応じ、現在の心境を語りました。

１８日から始まる裁判員裁判で、殺人と死体遺棄の罪に問われる岩倉知広被告（４１）。

これを前に、岩倉被告の伯父がＫＴＳの取材に応じ、現在の心境を語りました。

質問：望まれる判決は？
伯父：「極刑ですよ。事件性がないと単純に思って、ただ、妻らに安否確認を頼んだだけだから余計に腹が立つ。自分に対して。だからもう少し冷静になって深く考えたらよかったかなと、後悔の念がいっぱいです」

岩倉被告の伯父は、被害者全員と密接な関わりがあります。

２０１８年４月６日、伯父は、弟で岩倉被告の父、正知さんの勤務先から「数日間仕事に来ていない」と連絡を受けました。

当時、県外にいた伯父は、妻の岩倉孝子さんに安否確認を依頼。

孝子さんは、姉の坂口訓子さんとともに現場を訪れ、事件に巻き込まれました。

妻とも連絡がとれなくなった伯父はさらに、被告と同じアパートに住む知人の後藤広幸さんにも安否確認を依頼しますが、後藤さんも同様に殺害されました。

岩倉被告はＫＴＳの記者との面会で、この３人について「根も葉もない噂を流されたり、いたずらでは済まされないことをされた」と話していましたが、岩倉被告について伯父はー

岩倉被告の叔父：
「自分が被害者みたいなことを言っている。普通に私たちは接しているが、自分の中で妄想が膨らんで恨みにもっていったのかなと思う。２年半の間に本人が言うことが変わってきている。そこが腹が立つ」

起訴状などによりますと、岩倉被告は２０１８年３月３１日から４月６日にかけて祖母・久子さん（当時８９）、父・正知さん（当時６８）、伯母の岩倉孝子さん（当時６９）、その姉の坂口訓子さん（当時７２）、そして、伯父の知人の後藤広幸さん（当時４７）の５人を、久子さんの家で首を絞めて殺害したほか、祖母と父の遺体を近くの山林に遺棄したとされています。

事件のきっかけは２０１８年３月３１日、岩倉被告がテレビを見に久子さんの家に行った際、久子さんに小言を言われ、カッとなって暴行を加えたこととみられます。

捜査関係者によりますと、岩倉被告はその際、父・正知さんから次のように言われたということです。

岩倉被告：
「祖母を殴ったあと、父親が刃物を持ち出してきてもみ合いになった。『お前を殺して自分も一緒に死ぬ』と言われた」

ＫＴＳの記者との面会で、岩倉被告は父への殺意を否定する言葉を口にしました。

岩倉被告：
「56すつもりはなかった。首を絞めて落とそう（気絶させよう）としただけです」

岩倉被告は、父親と祖母の２人を殺害して、近くの山林に遺体を遺棄。

その５日後、親族ら３人を殺害した被告は、現場近くの路上で身柄を確保されました。

２０２０年に亡くなった後藤さんの兄は２０１９年、ＫＴＳのインタビューに次のように話していました。

後藤さんの兄：
「なぜ殺したのかを聞きたい」「極刑を言い渡してほしい」

一方、岩倉被告は先日の面会で、「自分の考えをありのままを話す」とコメントしました。

１８日から始まる裁判員裁判では、岩倉被告の責任能力の程度が最大の争点となります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3ed238771e99c540e99d2ff294bde9a10d552636