【岐阜新聞】離婚や再婚が増える団塊世代　離婚せずに「卒婚」する夫婦も

祖父母と呼ばれる年齢になった団塊世代。戦後生まれの、民主化された社会で最初に育ったこの世代は、伝統的な価値観に縛られながらも「個」を求め続けてきた。一生添い遂げることにこだわらず、離婚や別居も選択肢。「夫婦」の終え方もまた多様だ。

　恵那市飯地町の男性（７４）は、６０歳の定年退職を前に離婚した。子どもは３人。いずれも独立して社会人になっていた。「子どもが学校に通っている間は離婚できんが、手が離れたから」と語る。子どもと相談せずに決めた。

　サラリーマン時代は、戦前生まれの親世代の流れをくんで「夫は外で働き、妻は家を守る」の考え方。共働きだったものの、家事や子育ては元妻の役目にしてきた。それらもあって長年の不満がたまっていたというが、男性は「妻といえども元々は他人。縛り付けるわけにはいかない」と「個」を尊重した。

　離婚後は古里に戻り、結婚相談所で知り合った現在の妻（６４）と再婚。食堂を営みながら第二の人生を楽しむ。和子さんも再婚組で、こちらも子どもは独立。孫もいる。

　「岐阜の結婚相談所ＧＭＡ」（岐阜市）の今川雅仁代表によると、６０～７０代の相談者の８割が離婚経験を持つ。子育てが落ち着いた定年前の５０代後半に離婚した人が多いという。

　団塊世代研究も行うハイライフ研究所（東京都）が２００４年にまとめた「団塊世代夫婦の行方」と題した研究報告。１５年ほど前のリポートだが当時５０代になった団塊世代夫婦の実像をこう捉えていた。「夫婦の関係は夫婦相互自立型、分業型、友達型」。女性は自立意識が強い。家庭に個人主義が入ってきたため、その延長線上にある離婚や再婚が増えている、と。

　だが、離婚を選ばず別居などをして第二の人生を自由に生きる夫婦もいる。夫婦生活を「卒業」する「卒婚」と呼ばれる状態だ。

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https://www.gifu-np.co.jp/news/20210202/20210202-41758.html
2021年2月2日　14時23分