【家賃補助自公両論】家賃支援策、与党が決定　自民案と公明案、並列　「制度設計は政府に任せる」

自民、公明両党は８日、新型コロナウイルスの影響で経営に窮する事業者への家賃支援策を決め、政府に提言した。国が家賃の３分の２を上限付きで補助する自民案と、地方自治体の独自支援を財政援助する公明案を並列した。制度設計は政府に委ねており、仕組みが複雑になって利用者が混乱する可能性もある。▼オピニオン面＝社説

　自民、公明両党の政調会長らは８日、首相官邸で安倍晋三首相と会談。与党の支援策を受け取った首相は「スピード感も大切。いただいた案をもとに対策を講じていきたい」と応じた。

　公明の北側一雄副代表は会談後、記者団に「事業継続が一番の目的。そこは自公共通の認識を持っている」。自民のプロジェクトチーム座長の石原伸晃元幹事長は「２次補正（予算案）にしっかり予算を獲得していくことは重要だ」と述べ、財源確保を急ぐ考えを示した。

　８日合意した与党案は、借り手を支援する自民案と地方自治体を支援する公明案を抱き合わせたものだ。

　借り手支援では、ひと月の売り上げが前年比５割以上減か３カ月平均で３割以上減の事業者が対象。中小企業で月５０万円、個人事業主で月２５万円を上限に家賃の３分の２を支援する。政府系の金融機関などから無利子・無担保で融資を受け、家賃分を国が支援するなどの仕組みを想定する。６月分からの支援開始をめざし、年末までの半年分をカバーする。

　自治体支援では、緊急経済対策に盛り込んだ約１兆円の臨時交付金を拡充する。家賃を減額した貸主や家賃負担に苦しむ借り手を支援する自治体を国が財政面から支援する。

　いずれの支援策も「制度設計は政府側に任せる」（自民政調幹部）という。自民は借り手支援だけで「２兆円弱かかる」（岸田文雄政調会長）とするが、全体の予算規模は不透明だ。

　与党の提案を受け、政府は財源の確保や詳細な制度設計の検討に入る。ただ、休業で４、５月の売り上げが激減する飲食業界などからは目の前の資金繰りの厳しさを訴える声が強い。官邸幹部は「６月以降に多くの県で緊急事態宣言が解除されたら、自民案は空振りになる」との懸念も語る。国と地方自治体が別々の家賃支援策を持つことで、利用者が申請に手間取るなど混乱を招く可能性もある。（西村圭史、大久保貴裕、南日慶子）

朝日新聞デジタル 2020年5月9日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14469289.html

どこも大変だな

ウハウハ